事件の概要

  • 愛媛県の中古車販売店「カーズショップ松山」
  • 表示媒体は「Mjネット」及び「カーセンサー」と称する全国の中古自動車情報を掲載しているウェブサイト
  • ①「修理歴」と②「走行距離」について不当表示(優良誤認表示)があったことから、景品表示法に基づき行政処分(措置命令)
  • ①15商品に「修理歴なし」と記載していたが、車体の骨格部分に損傷が生じたことのある中古自動車であった(下記の画像参照)
  • ②3商品について「表示された走行距離数」欄記載の数値は、実際の走行距離数よりも過少であった
    例えば、96,758kmを7.9万km(下記の画像参照)

コメント(課題・問題点・防止策等)

  • 実際の車のメーターが巻き戻されていたのかは不明ですが、もしかしたら、メーター自体に不正はなく、ウェブサイトでの広告で過小に表示したのかもしれません
  • 2割程度の過小表示が、どの程度、広告効果があるのかはわかりませんが。
  • ただし、「修理歴なし」はウソの表示であり、明らかな不当表示です。
  • ちなみに、事業者は法人ではなく個人事業主だったので、実名で公表されています(「こと」と入るとなんだか印象悪いですね)
  • さて、措置命令の1つに「景品表示法に違反するものである旨を一般消費者に周知徹底すること」とあり、通例だと日刊2新聞に社告を出すことになりますが、ウェブサイトは全国規模なので、全国版の社告なのか気になります。そうなれば数百万円の費用が掛かりますので、個人経営者にとっては経済的な制裁もきついかもしれません。社告を見つけたら追記します。
  • 中古自動車の走行距離の不当表示は、消費者庁の景品表違法のリーフレットにも登場する事例なので研修での事例に使おうと思います

※個人の氏名については伏字にしています(必要な方は消費者庁の資料の原本をご覧ください)

消費者庁 公表資料「カーズショップ松山こと****に対する景品表示法に基づく措置命令について」2021年12月14日

消費者庁ホーム > お知らせ > カーズショップ松山こと****に対する景品表示法に基づく措置命令について

カーズショップ松山こと****に対する景品表示法に基づく措置命令について
2021年12月14日

消費者庁は、本日、カーズショップ松山こと****に対し、同人が供給する中古自動車に係る表示について、消費者庁及び公正取引委員会(公正取引委員会事務総局近畿中国四国事務所四国支所)の調査の結果を踏まえ、景品表示法に違反する行為(同法第5条第1号(優良誤認)に該当)が認められたことから、同法第7条第1項の規定に基づき、措置命令を行いました。

公表資料
カーズショップ松山こと****に対する景品表示法に基づく措置命令について[PDF:2.4 MB]

https://www.caa.go.jp/notice/entry/026954/

カーズショップ松山こと高畑正志に対する景品表示法に基づく措置命令について[PDF:2.4 MB]」の画像をトリミングして引用

公正取引委員会 公表資料 (令和3年12月14日)カーズショップ松山こと****に対する景品表示法に基づく措置命令について

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(令和3年12月14日)カーズショップ松山こと****に対する景品表示法に基づく措置命令について
令和3年12月14日
消費者庁
公正取引委員会

 消費者庁は、本日、カーズショップ松山こと****に対し、同人が供給する中古自動車に係る表示について、消費者庁及び公正取引委員会(公正取引委員会事務総局近畿中国四国事務所四国支所)の調査の結果を踏まえ、景品表示法に違反する行為(同法第5条第1号(優良誤認)に該当)が認められたことから、同法第7条第1項の規定に基づき、措置命令(別添参照)を行いました。

1 違反行為者の概要
  名称    カーズショップ松山こと****
  所在地   松山市*******

2 措置命令の概要
(1) 対象商品
 別表「車両情報」欄記載の車種及び車体番号の15台の中古自動車(以下「本件15商品」という。)

(2) 対象表示
ア  表示の概要
(ア) 表示媒体
  「Mjネット」及び「カーセンサー」と称する全国の中古自動車情報を掲載しているウェブサイト
  (以下「本件ウェブサイト」という。)

(イ) 表示期間
  別表「掲載期間」欄記載の期間

(ウ) 表示内容(表示例:別紙1及び別紙2)
a 別表「掲載期間」欄記載の期間に、本件ウェブサイトのうち本件15商品に係る情報を掲載する各ウェブページにおいて、「修復歴 なし」と表示することにより、あたかも、本件15商品は、車体の骨格部分に損傷が生じたことのない中古自動車であるかのように示す表示をしていた。

b 別表「掲載期間」欄記載の期間に、本件ウェブサイトのうち同表「番号」欄記載の番号2、番号10及び番号13の3台の中古自動車(以下「本件3商品」という。)に係る情報を掲載する各ウェブページにおいて、同表「表示された走行距離数」欄記載の走行距離数を表示することにより、あたかも、本件3商品の走行距離が同表「表示された走行距離数」欄記載の数値のとおりであるかのように示す表示をしていた。 

イ  実際
 (ア) 前記ア(ウ)aについて、本件15商品は、車体の骨格部分に損傷が生じたことのある中古自動車であった。

 (イ) 前記ア(ウ)bについて、本件3商品の走行距離は、別表「実際の走行距離数」欄記載の数値のとおりであり、同表「表示された走行距離数」欄記載の数値は、本件3商品の実際の走行距離数よりも過少であった。

(3) 命令の概要
ア  前記(2)アの表示は、前記(2)イのとおりであって、それぞれ、本件15商品の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示すものであり、景品表示法に違反するものである旨を一般消費者に周知徹底すること。

イ  再発防止策を講じて、これを役員及び従業員に周知徹底すること。

ウ  今後、同様の表示を行わないこと。


関連ファイル
(印刷用)(令和3年12月14日)カーズショップ松山こと****に対する景品表示法に基づく措置命令について(PDF:5MB)

https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2021/dec/211214.html

ニュース記事の紹介

※下記に紹介している記事や動画は時間の経過とともに削除される場合がありますのでご了承ください。また、新しいニュースがあれば追加します。

【テレビ愛媛】修理したのに「修復歴なし」 走行距離を少なく記載 松山市の中古車販売店に「措置命令」【愛媛】12月14日

修理したのに「修復歴なし」 走行距離を少なく記載 松山市の中古車販売店に「措置命令」【愛媛】

商品の中古車をネットに掲示した際、修理していないと偽ったとして、松山市内の中古車販売店が14日、景品表示法違反で措置命令を受けました。

措置命令を受けたのは、松山市南高井町の中古車販売店「カーズショップ松山」です。

消費者庁などによりますと、この販売店は今年12月までの約9年間、2つの中古車サイトで商品を掲示した際、15台についてフレームを修理したにも関わらず「修復歴なし」と記載しました。

このうち3台は実際の走行距離より少なく記載し。最大で1万8000キロの差があったとしています。

消費者庁はカーズショップ松山に対して景品表示法違反で措置命令を出し、違反があったことの自らの公表や再発防止を求めます。

12月14日 19:45

https://www.ebc.co.jp/news/data/?sn=EBC2021121407980