事件の概要

  • 商工会議所の30代の男性職員で、令和元年に採用され、経理等を担当
  • 経理担当だった令和3年5月から令和6年4月にかけて、商工会議所の複数の口座(一般会計、財政調整資金会計、退職給与積立金会計、会館修繕積立金会計、会館食堂特別会計)から不正に金を引き出し、3年間で計110回にわたり数万円から1000万円し、合わせて6470万円余りを着服
  • 事務局長が資料作成のため、通帳の提出を求めたところ、言動に不審な点があり、通帳の中身を精査すると印字などが不明瞭な部分があり、金融機関に問い合わせ偽造が発覚した
  • 元職員は白紙の預金用の引き出し用紙に勝手に押印をしたり、引き出した金を口座に入金しなかったりする手口で着服。この結果、商工会議所が職員用に退職金を積み立てていた口座の残高はほぼゼロになっていた
  • 預金引き出しに必要な公印は、金庫内の鍵付きの棚に保管し、その鍵は専務理事と事務局長のみ保管しているため、引き出す場合には決裁を受け、押印をもらう必要がある。しかし、繁忙時には決裁後に専務理事らの目の前で押印させる場合もあった。その際に多数の白紙の預金引き出し用紙に公印を合わせて押印し、後に金額等を記入すれば引き出しできるよう準備。
  • また、金融機関から預金を出金し、他の金融機関に預入する虚偽の決裁文書を作成したうえ、実際には入金せずに着服していた。引き出す際は備品の購入や財政調整資金への積み立てなどを理由にしていたが、実際には積み立てなどは行われておらず、会計監査等での発覚を逃れるため通帳の偽造・改ざんを行っていた。
  • 毎年5月に前年度分の監査を行っているが、特段不審な点はなかった
  • 元職員は聞き取りに対し、通帳を作り替えるようなソフトがあると話しており、実際の通帳から文字を拾って印字することも可能であるという。その通帳は精巧に偽造されており、ひと目には見抜けないものだったようだ。
  • スポーツ系のギャンブルや女性関係、その他遊興費に使用したと話しているが、詳しい使途については口を閉ざすという
  • 「公金の扱いは徹底していたが、巧妙に目を盗んで着服していた。残高証明を取っていなかったのは落ち度だが、通帳を偽造されるなんてありえないという気持ちがあったのは事実です。今後、刑事告訴を予定しており、役員や常議員にもこれからきっちり説明したい。再発防止策も徹底していく」とのこと

コメント(課題・問題点・防止策等)

  • あまりにも巨額かつ悪質な手口であり、何のために仕事をしているのか分からないですね。
  • 商工会や商工会議所は中途採用の職員も多く、どのような背景があるのか分からないので、中途採用に気を付ける必要があります。
  • 公印の管理や会計処理も適正でしたが、繁忙期の例外時期を突かれたというのはやるせないです。
  • 性善説のうえで、複数担当や監査の徹底をすることが原則になりますが、偽造ソフトを使って、犯罪性の高い手口を使われると、通常の人間関係では気付くのが難しいかもしれません。人を見る目は大事ですね。
  • 今回の教訓としては、通帳の記帳が正しいとは断言できないので、少なくとも、残高が確かなように、年に1回は残高証明を取得したり、ATMで残高確認することが必要なのかなt思います。
  • 返済の意思はあるとはいえ、6500万円という金額は全額返済は期待できないと思うので、かなりの痛手になります。

ニュース記事の紹介

※下記に紹介している記事や動画は時間の経過とともに削除される場合がありますのでご了承ください。また、新しいニュースがあれば追加します。

【東海テレビ NEWS ONE】「スポーツ系のギャンブルや女性関係に使った」商工会議所の31歳男性職員が6470万円余りを着服し懲戒解雇

「スポーツ系のギャンブルや女性関係に使った」商工会議所の31歳男性職員が6470万円余りを着服し懲戒解雇
2024/04/30 21:13配信

 三重県熊野市で、商工会議所の職員が6400万円以上を着服して懲戒解雇されました。

 熊野商工会議所によりますと、経理を担当していた元職員の31歳の男性は、4月までの約3年間に商工会議所の5つの口座から現金計6470万円余りを着服し、4月22日付で懲戒解雇されました。

 男性は出金伝票に勝手に銀行印を押し、約110回にわたって銀行で現金を引き出したうえ、発覚を免れるため編集ソフトで改ざんした数字などを通帳に印刷していました。

 男性は「スポーツ系のギャンブルや、女性関係などに使った」と話していて、熊野商工会議所は刑事告訴する方針です。

https://www.tokai-tv.com/tokainews/article_20240430_34076

【三重テレビNEWS】「ギャンブルや女性関係に使った」元熊野商工会議所会計職員が6000万円超着服

【NHK東海 NEWS WEB】三重 熊野商工会議所 約6500万円着服で職員を懲戒解雇 04月30日

東海 NEWS WEB
三重 熊野商工会議所 約6500万円着服で職員を懲戒解雇
04月30日 19時00分

三重県熊野市の熊野商工会議所は、30代の男性職員がおよそ6500万円を着服していたとして、この職員を懲戒解雇の処分にしたと発表しました。職員は着服を認めていて、商工会議所では今後、刑事告訴する方針です。

懲戒解雇の処分を受けたのは熊野商工会議所の30代の男性職員です。
商工会議所によりますと、この職員は、経理担当だった令和3年の5月から今月にかけて、商工会議所の複数の口座から不正に金を引き出し、合わせて6470万円余りを着服したということです。
今月、職員が提出した通帳に印字が不明瞭で不審な点が多く、職員に問いただしたところ、着服を認めたということです。
職員は白紙の預金用の引き出し用紙に勝手に押印をしたり、引き出した金を口座に入金しなかったりする手口で、1回あたり数万円から1000万円、計110回にわたって金を着服し、この結果、商工会議所が職員用に退職金を積み立てていた口座の残高はほぼゼロになっていたということです。
職員は「ギャンブルに使う金が欲しかった。申し訳ない」と話し、返済の意志を示しているということです。
商工会議所は今月22日付けで懲戒解雇の処分とし、今後、刑事告訴する方針です。
熊野商工会議所の榎本義秀会頭は「市民の皆様や会員企業の皆様にご迷惑をおかけし、おわび申し上げます」と陳謝しました。

https://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20240430/3000035311.html

【産経新聞】6千万円超着服で会計担当を懲戒解雇 三重・熊野商工会議所 「遊ぶ金欲しかった」
2024/4/30

6千万円超着服で会計担当を懲戒解雇 三重・熊野商工会議所 「遊ぶ金欲しかった」
2024/4/30 18:41
社会

三重県熊野市の熊野商工会議所は30日、計約6470万円を着服したとして、会計担当だった30代の男性職員を懲戒解雇にしたと明らかにした。22日付。三重県警熊野署に刑事告訴する方針。

会議所によると、令和3年5月~今年4月、白紙の預金引き出し用紙に不正に公印を押し、後で金額を記入して金融機関で下ろしたり、一般会計から退職給与積立金会計などへ資金を移したように通帳を偽造したりして現金を着服していた。

事務局長が4月18日、資料作成のため、通帳の提出を求めたところ、渋ったため中身を精査。印字などが不明瞭な部分があり、金融機関に問い合わせ偽造が発覚した。

職員は「遊ぶ金がほしかった。ギャンブルや女性関係などに使った」と着服を認め、返済の意思を示しているという。

https://www.sankei.com/article/20240430-HGHQJWQEZRIORIJQYPCEGLERDM/

【吉野熊野新聞】通帳の偽造や改ざんも 3年で約6500万円着服 熊野商工会議所30代男性職員を懲戒解雇 2024-05-06

通帳の偽造や改ざんも 3年で約6500万円着服 熊野商工会議所30代男性職員を懲戒解雇
2024-05-06

 熊野商工会議所の30代男性職員が令和3年5月~令和6年4月にかけ、約6500万円を着服していたことが発覚。4月30日、熊野市役所市政記者室で同商議所の榎本義秀会頭と尾中弘明専務理事、齋藤公己事務局長、片山眞洋弁護士が記者会見を行い、事実関係を明らかにした。職員は4月22日付で懲戒解雇処分にした。

 説明によると元職員は一般会計、財政調整資金会計、退職給与積立金会計、会館修繕積立金会計、会館食堂特別会計から、3年間で計110回にわたり数万円から1000万円を着服。総額は6470万5297円に上った。同会議所の聞き取りによるとギャンブルや女性関係、その他遊興費に使用したと話しているが、詳しい使途については口を閉ざすという。

 今年4月に齋藤事務局長が資料作成の関係で通帳の提出を求めたところ言動に不審な点があり、通帳の中身を精査すると印字の不明瞭や日付の相違などを確認。すぐに金融機関を訪問して相談すると、通帳の偽造・改ざんの疑いが高いとの説明を受けた。会議所に戻って元職員に着服の有無を確認すると事実を認めたため、尾中専務理事と聞き取りを行ったほか、関係する金融機関で順次調査し、詳細がほぼ判明した。

 元職員は令和元年に採用され、経理等を担当していた。同会議所では預金引き出しに必要な公印は、金庫内の鍵付きの棚に保管。その鍵は専務理事と事務局長のみ保管しているため、引き出す場合には決裁を受け、押印をもらう必要がある。しかし、繁忙時には決裁後に専務理事らの目の前で押印させる場合もあったという。元職員はその際に多数の白紙の預金引き出し用紙に公印を合わせて押印し、後に金額等を記入すれば引き出しできるよう準備。また、金融機関から預金を出金し、他の金融機関に預入する虚偽の決裁文書を作成したうえ、実際には入金せずに着服していた。引き出す際は備品の購入や財政調整資金への積み立てなどを理由にしていたが、実際には積み立てなどは行われておらず、会計監査等での発覚を逃れるため通帳の偽造・改ざんを行っていた。

 元職員は聞き取りに対し、通帳を作り替えるようなソフトがあると話しており、実際の通帳から文字を拾って印字することも可能であるという。その通帳は精巧に偽造されており、ひと目には見抜けないものだったようだ。同会議所では毎年5月に前年度分の監査を行っているが、特段不審な点はなかった。元職員は返済の意思を示しており、弁護士が返済方法等について協議している。

 榎本会頭は「このような事案が発生したことに対し、市民の皆様、会員の皆様、関係者の皆様に大変なご迷惑とご不快な思いをさせましたこと、深くお詫び申し上げます」と頭を下げ、尾中専務理事、齋藤事務局長は「公金の扱いは徹底していたが、巧妙に目を盗んで着服していた。残高証明を取っていなかったのは落ち度だが、通帳を偽造されるなんてありえないという気持ちがあったのは事実です。今後、刑事告訴を予定しており、役員や常議員にもこれからきっちり説明したい。再発防止策も徹底していく」と話した。

https://www.yosikuma.com/2024/05/01/3471/

【読売新聞】商工会議所の経理担当、6470万円着服容疑で刑事告訴へ…「ギャンブルや女性関係などに使った」2024/05/01

商工会議所の経理担当、6470万円着服容疑で刑事告訴へ…「ギャンブルや女性関係などに使った」
2024/05/01 15:32

スクラップ
 三重県の熊野商工会議所(熊野市)は30日、経理担当の30歳代の男性職員が、商議所の預金口座から計約6470万円を着服したとして、4月22日付で懲戒解雇処分にしたと発表した。商議所は近く元職員を刑事告訴する方針。

 発表によると、元職員は2021年5月~24年4月、商議所の五つの預金口座から計約6470万円を着服したという。預金の引き出しには公印が必要だが、上司に無断で白紙の出金伝票に公印を押し、虚偽の決裁文書も作成したとみられる。

 商議所の聞き取りに対し、元職員は着服を認め、「スポーツ関係のギャンブルや女性関係などに使った」と話しているという。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20240501-OYT1T50039/

【朝日新聞】スポーツ賭博に使う?職員が6470万円着服 三重・熊野商工会議所 2024年4月30日

スポーツ賭博に使う?職員が6470万円着服 三重・熊野商工会議所
2024年4月30日 20時37分

 熊野商工会議所(三重県熊野市)は30日、会計や経理を担当していた30代男性職員が、総額6470万円余りを着服していたと発表した。4月22日付で懲戒解雇し、近く業務上横領容疑で刑事告訴する方針。

 商議所によると、職員は会費や事業収入を扱う一般会計など五つの会計で十数冊の通帳を管理。2021年5月~24年4月、約110回にわたって帳票や通帳を偽造するなどして、一般会計から他の会計に資金を移す際に金を着服していたという。

 4月18日に上司が資料作成のため通帳の提出を求めた。不明瞭な印字や日付の相違などが見つかり、問いただしたところ着服を認めた。1回あたりの額は1千万円~数万円で、スポーツ関係のギャンブルなど遊興費に充てていたという。

 熊野商議所は、熊野市内の600余りの事業者が会員。榎本義秀会頭(66)は「通帳の数字が正しいと思っていたが、巧妙に偽造されていた。今後の監査では金融機関の残高証明の発行を受け、通帳や公印の管理も徹底したい」と話した。

https://www.asahi.com/articles/ASS4Z32RRS4ZPXLB00BM.html