事件の概要
- 障害者福祉システムに関する事業者を募集するための資料をホームページに掲載したところ、外部から個人情報が含まれていると連絡があった
- 参考資料のエクセル表の中に個人情報が含まれた状態で公開していたことが明らかになり、判明後ただちに掲載を中止
- エクセル形式の参考資料3点を添付。そのうち2点に、障害者1222人分の名前、住所、生年月日のほか、電話番号、障害者手帳の情報、福祉サービスの支給決定情報などが含まれていた。障害者の家族や福祉サービス申請者などの関係者1732人分の名前や生年月日も閲覧できる状態だった。
- 「二重三重のチェックをしたが見抜けなかった」と話しているとのこと
コメント(課題・問題点・防止策等)
- どのような形のエクセルファイルか分かりませんが、エクセルは、複数のタブがあるので、ファイル自体をアップしてしまうと、意図しないファイルも含まれてしまうことがあります。
- 通常は消去法式ではなく、必要な情報だけをコピーして新規のエクセルファイルとして作成し直すのが間違いはありませんが、最近はPDFファイル形式にして公開することも多くなっています。
- 「二重三重のチェックをしたが見抜けなかった」ということは、今後も同じ事故が発生する可能性もあるわけで、特に、複雑なエクセルは、原本ファイルではなく、PDFファイル等に変換するほうがいいのかもしれません。国等の資料でも、表形式のPDFファイルが多いですので。
- 決裁で回覧添付する資料は紙ベースなので、公開予定のファイルの中身がすべて印刷されていない可能性もあります。
- すると、いくらチェックしても最終のファイルをアップする担当者が1人であれば事故が起こります。
- このあたりの、ファイル形式の公開ルールを作る必要があるのかもしれません。
- ちなみに、私が勤務していたところでは、紙ベースの決裁のほかに、ホームページに掲載するための決裁があり、必ず公開待ちの状態で電子的に決裁が進んでいきますので、実際に公開されるエクセルファイルの中身も確認することができます(中身が最後まで見られないまま決裁がすすんでしまう可能性もないわけではありませんが)
- 決裁時の紙ベースの資料と実際のファイルの中身が違う場合があるというリスクを学ぶ教訓になります
越前市 公表資料「個人情報の取り扱いに関するお詫び」2022年1月11日
個人情報の取り扱いに関するお詫び(1月11日追記)
最終更新日 2022年1月11日情報発信元 社会福祉課PAGE-ID:10103
個人情報の取り扱いに関するお詫び(社会福祉課)(1月11日追記)
この度、本市の障がい福祉に関する個人情報が、令和4年1月4日から令和4年1月7日まで、市ホームページ上で閲覧可能となっておりました。状況としましては、今般、令和4年度からの導入を予定していた「越前市障がい者福祉システム賃貸借及び保守業務」に係る公募型プロポーザルを実施するにあたり、関連する様式、参考資料等を市ホームページに公開したところ、参考資料のエクセル表の中に個人情報が含まれた状態で公開していたことが明らかになり、判明後ただちに掲載を中止したところです。
現時点では、情報流出の有無は確認できていない状況ですが、まずはこのような事態が発生したことをいち早くお知らせするため公表するものでございます。
このたびの事態を招いたことで、市民の皆様には、多大なご迷惑とご心配をおかけしておりますこと、深くお詫び申し上げます。
引き続き、詳細に被害状況を調査し対策を進め、進捗状況につきましては適宜公表してまいる所存でありますが、関係する皆様にご心配なことがございましたら、誠実に対応してまいりますので、よろしくお願いいたします。
なお、今回誤掲載された内容には、障がいのある方ではなく、過去に福祉サービスの利用をおこなった方の情報も含まれておりました。
https://www.city.echizen.lg.jp/office/050/010/syafuku.html
ニュース記事の紹介
※下記に紹介している記事や動画は時間の経過とともに削除される場合がありますのでご了承ください。また、新しいニュースがあれば追加します。
【福井新聞】障害者1222人分の個人情報をHPに誤って掲載 越前市、名前や住所、電話番号も 2022年1月9日
障害者1222人分の個人情報をHPに誤って掲載 越前市、名前や住所、電話番号も
2022年1月9日 午前7時10分
福井県の越前市は1月8日、市内の障害者1222人分の名前や住所、生年月日などの個人情報を誤って市のホームページ(HP)に掲載し、4日正午から7日午後7時15分まで閲覧できる状態だったと発表した。障害者の家族や関係者1732人の名前なども閲覧可能だったといい、市は「信頼を損なう事態となり誠に申し訳ない。調査を進め全容を把握し、再発防止に全力を挙げる」と話している。市によると、障害福祉サービスや自立支援医療などの事務処理を一元化・合理化するための台帳システム「市障がい者福祉システム」の保守業務に携わる事業者を公募型プロポーザル方式で募るため、市HPに業務に関するエクセル形式の参考資料3点を添付。そのうち2点に、障害者1222人分の名前、住所、生年月日のほか、電話番号、障害者手帳の情報、福祉サービスの支給決定情報などが含まれていた。障害者の家族や福祉サービス申請者などの関係者1732人分の名前や生年月日も閲覧できる状態だった。
参加希望事業者向けの参考資料として、台帳にどのような項目が掲載されているかを示すため、市の担当者が台帳の原本データを使ってひな型を作成。個人情報を全て削除してからHPで公開するはずだったが、全て削除しきれていなかったのが原因という。市社会福祉課は「二重三重のチェックをしたが見抜けなかった」と話している。
市HPには4日正午に公開。閲覧した事業者から7日午後6時58分に、個人情報が掲載された状態であると市に通報があり、市は同日午後7時15分に公開を取り下げた。計31回の閲覧履歴があり、このうち特定できた1事業者にはダウンロードした資料を消去してもらったという。残りの履歴に関しては調査中で、ダウンロードの有無を確認し、あれば削除要請する。
対象者には個別に電話で説明と謝罪を始めており、経過説明と謝罪文を近く郵送する。市社会福祉課内に相談窓口=電話0778(22)3004=を開設し問い合わせに対応している。
https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/1470507
【毎日新聞】障害者らの個人情報誤掲載 福井・越前市ホームページに2900人分 2022/1/8
障害者らの個人情報誤掲載 福井・越前市ホームページに2900人分
毎日新聞 2022/1/8 20:17
福井県越前市は8日、市ホームページに市内の障害者とその世帯員ら計約2900人分の氏名や生年月日などの個人情報を誤って掲載していたと発表した。障害者の台帳システムを運用する事業者を公募するため、障害者の台帳の原本を加工したひな型をホームページに掲載する際に、入力されている個人情報が含まれたままだった。
市によると、公開された個人情報は障害者1092人と障害児130人の氏名、住所、生年月日、支給されている障害福祉サービスの情報のほか、世帯員ら1732人の氏名など。中には障害名や等級といった障害者手帳の情報や収入額が入っている人もいた。
市は個人情報が入ったひな型を4日に掲載、7日に外部からの指摘で誤掲載を把握した。市によると、この間に情報は31回閲覧されていたが、8日時点で情報の悪用は確認されていないとしている。市は該当者に電話や郵便で連絡をするという。
市は「市の情報管理の信頼を大きく損なう事態となり、誠に申し訳ない」とコメントした。
https://mainichi.jp/articles/20220108/k00/00m/040/271000c
【NHK福井 NEWS WEB】越前市 1222人の個人情報含む資料 誤ってホームページに 01月08日
福井 NEWS WEB
越前市 1222人の個人情報含む資料 誤ってホームページに
01月08日 18時01分
越前市は、障害者福祉サービスを受けていた市民約1200人分の個人情報を含む資料が、市のホームページに誤って掲載されていたと発表しました。
越前市は、情報が掲載された人に個別に謝罪しているということです。越前市によりますと、1月4日に障害者福祉システムに関する事業者を募集するための資料をホームページに掲載したところ、7日、外部から個人情報が含まれていると連絡があったということです。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/fukui/20220108/3050010068.html(リンク切れ)
資料には障害者福祉サービスの利用者1222人の個人情報が含まれていて、越前市は7日に掲載を取りやめました。
資料は31回閲覧されていたということで、越前市は情報が掲載されていた人に電話で個別に謝罪しているということです。
今のところ、個人情報が悪用されたという相談はないということです。
越前市によりますと、担当の職員が個人情報を削除してから掲載することになっていましたが、一部が削除されずに残っていたということです。
越前市社会福祉課は「個人情報を安易に閲覧出来る状態にしてしまい大変申し訳ない。二度と同じことが起こらないよう再発防止につとめる」とコメントしています。