事件の概要

  • 2019年4月に福島県楢葉町の社会人枠で職員に採用された40代の男性職員
  • 請け負っていた土地改良区と農地管理などを担う地元農家による任意団体「町多面的機能広域活動保全会」の会計業務を含む事務を兼務
  • 約2年半の在職期間中、金融機関の窓口で百数十回にわたり数千円から数十万円を引き出し、二つの団体の口座から2000万円以上を横領
  • 土地改良区の口座には東京電力福島第1原発事故に伴う東電の損害賠償、保全会の口座には町の交付金などが預金されており、男性が1人で管理
  • 生活費や借金の返済、遊興費などに充てていたという
  • 上司が通帳の管理状況を確認しようとしたところ、男性は体調不良を理由に休むようになり、連絡が取れなくなり、男性の弁護士から横領について報告があった
  • 土地改良区では年1回監査が行われていたが、今年まで土地改良区などの通帳を確認しておらず「土地改良区が適正に監査を行っていると思い込み、チェック体制が曖昧だった」としている
  • 男性職員は懲戒免職処分。町と土地改良区は今後、男性を告訴、告発するとともに返還を求める方針

コメント(課題・問題点・防止策等)

  • せっかく社会人枠で公務員になれたのに、いきなり横領とはやってられませんね
  • またも横領によくあるパターンとして、委託を受けた事業、口座を1人で管理、監査が甘い
  • 公務員なので即懲戒免職
  • 横領したお金が返金されていないようなので刑事告訴

【楢葉町公表資料】楢葉町職員の不祥事について(お詫び)2021年09月09日

楢葉町職員の不祥事について(お詫び)
公開日:2021年09月09日

 平素より町政に対し各段のご理解とご協力を賜り、心よりお礼申し上げます。

 さて、このたび、公金にかかる事務について、町民のみなさま方に対し、お詫びをしなければならない事態が発生しました。事態の全容はなお不明な点も多く、解明には至っておりませんが、これまで把握した状況等を町民のみなさま方にご報告し、お詫び申し上げます。

 不祥事のあらましは、楢葉町土地改良区等の事業資金について、使途不明金が判明しました。このことに対し、楢葉町土地改良区の経理を担当していた楢葉町産業振興課職員に確認するも、連絡がとれない状態が続いていましたが、令和3年8月23日に、当該職員の弁護士を通じて、楢葉町土地改良区等の資金を不正に引き出していたことを認めたものです。

 決してあってはならない公金横領の不正が発覚したことから、この職員を令和3年9月8日付けで、もっとも厳しい懲戒免職処分といたしました。

 このような不祥事が発生し、町民のみなさま方に多大なるご迷惑をおかけしましたことを、心よりお詫び申し上げます。また、町政に対する信頼を著しく失墜させる事態となりましたことを深く反省します。

 町といたしましては、全職員に対し、公務員倫理の確立、服務規律の遵守と綱紀粛正の徹底を図るよう指導してまいります。

 震災以降、多くの方々のご支援によりここまで復興することができましたが、結果として、そうした多くの方々を裏切るような事態となり、私自身も痛恨の極みであります。

 今後、当該職員には、告訴・告発を、楢葉町土地改良区とともに行ってまいります。

 処分につきましては、当該職員を指導監督する立場にあった職員5名を減給又は戒告の処分としており、町長、副町長につきましても給与減額を行う考えです。

 町民のみなさまには、このようなご迷惑をおかけしたことを重ねて深くお詫び申し上げますとともに、二度とこうした不祥事を起こさないよう、町政の信頼回復に全力で取り組む覚悟です。

 誠に申し訳ございませんでした。


令和3年9月9日

https://www.town.naraha.lg.jp/admin/cat336/007495.html

ニュース記事の紹介

※下記に紹介している記事や動画は時間の経過とともに削除される場合がありますのでご了承ください。また、新しいニュースがあれば追加します。

【福島民友新聞】

楢葉町職員2000万円超横領 懲戒免職、町と土地改良区が告発へ
2021年09月10日 08時45分  
 楢葉町は9日、40代の男性職員が会計業務などを請け負っていた土地改良区など二つの団体の口座から2000万円以上とみられる額を横領していたと発表した。町は8日付で男性職員を懲戒免職処分にした。町と土地改良区は今後、男性を告訴、告発するとともに返還を求める方針。

 町によると、男性は2019年4月に社会人枠で職員に採用され、産業振興課に配属された。同月から同課がある役場庁舎内で、土地改良区と、農地管理などを担う地元農家による任意団体「町多面的機能広域活動保全会」の会計業務を含む事務を兼務。約2年半の在職期間中、金融機関の窓口で百数十回にわたり数千円から数十万円を引き出していたという。

 町は横領した総額は2000万円から5000万円未満とみて調査を進める。男性は弁護士を通じて横領を認め、生活費や借金の返済、遊興費などに充てていたという。土地改良区の口座には東京電力福島第1原発事故に伴う東電の損害賠償、保全会の口座には町の交付金などが預金されており、男性が1人で管理していた。

 産業振興課の上司が8月上旬、通帳の管理状況を確認しようとしたところ、男性は体調不良を理由に休むようになり、連絡が取れなくなった。8月23日に男性の弁護士から横領について報告があったという。

 土地改良区では年1回監査が行われていたという。町は今年まで土地改良区などの通帳を確認しておらず「土地改良区が適正に監査を行っていると思い込み、チェック体制が曖昧だった」としている。

 土地改良区の理事長を務める松本幸英町長は「震災以降の多くの支援を裏切る事態となり痛恨の極み」とコメントした。

https://www.minyu-net.com/news/news/FM20210910-654399.php

【産経新聞】数千万円横領の40代職員を懲戒免職 福島・楢葉町 2021/9/9

数千万円横領の40代職員を懲戒免職 福島・楢葉町
2021/9/9

福島県楢葉町は9日、産業振興課の40代男性職員が、事務局業務を兼任していた楢葉町土地改良区などの資金数千万円を横領したとして、8日付で懲戒免職処分にしたと発表した。元職員は事実関係を認め、生活費や遊興費、借金返済に充てたと説明しているという。町と土地改良区は刑事告訴などをする。

町によると、元職員は令和元年度以降、土地改良区やその関係団体などの預金を複数回にわたり私的に引き出した。口座管理を1人で行っていたという。今年8月、上司が通帳を確認して発覚した。町などは被害額を精査している。

https://www.sankei.com/article/20210909-3A2P75V6UZMIPKTDXQJMGUORHQ/

【読売新聞】

「経費の確認しよう」と言われ…数千万円横領の町職員、翌日から「体調不良」に
2021/09/10
 福島県楢葉町は9日、土地改良区の事務局を兼務していた産業振興課の40歳代男性職員が、土地改良区など2団体の口座から数千万円を横領していたと発表した。町は職員を8日付で懲戒免職とした。土地改良区とともに刑事告発、告訴する。

楢葉町役場
 町によると、職員は2019年4月から土地改良区の会計を担当していた。事務局は2人で、通帳の取り扱いは職員だけが行っており、確認する決まりなどもなかった。

 先月中旬に同課の上司から「経費がどう使われているのか確認しよう」と言われた職員は、翌日から体調不良を理由に欠勤。町が通帳の確認などをしていたところ「生活費や借金の返済などに充てた」と私的流用を認めたという。

 松本幸英町長は「二度とこのような不祥事を起こさないよう、信頼回復に全力で取り組む」とコメントを出した。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20210910-OYT1T50071/