事件の概要

  • イノシシの狩猟用に町が貸し出す「くくりわな」を随意契約で調達
  • 3社から見積もりを取った際、一番低い価格を提示した県外の業者に対し、金額を引き上げて見積もりを再提出するよう求め、業者は再提出
  • 2番目に低い価格を提示していた別の業者からの調達が決まったが、納入できず不審に思った県外の業者が町に経緯を尋ねて抗議し発覚
  • 「従来から使っていて狩猟者が扱いに慣れている業者の製品を調達したかった」とのこと
  • 町は非公開の町議会全員協議会で事実関係を説明し「業者には損害を与えてしまった」と陳謝

コメント(課題・問題点・防止策等)

  • 「よかれと思ってやったかもしれないけど・・・」という事例が散見されます。
  • 単に、その商品を使いたいというだけで、職員にとっては何の利益もなく、むしろ使用する人にとっては使いやすいということになるのですが、結果として不適切な契約処理になり、コンプライアンス違反として処分されてしまいます。
  • 特定の商品を購入したい場合、その商品を指定しての見積もり依頼にするというのが一般的な方法です。随意契約の三者見積もりなら、ある程度は自由度がきくと思う。
  • ただし、商品指定ができないような場合は、他の商品ではなく、その商品が必要であるとの理由をつけて、その商品を指定するという手続きを取ります。それが難しいなら、類似商品も含めた見積もりになり、思っていたのと異なる商品を契約してしまうことになります。
  • また、今回の事件がどのぐらいの金額なのか分かりませんが、入札のレベルになってしまうと、自由度は低くなります。だいたい、20万円ぐらいが入札の境目かも。
  • 随意契約の三者見積もりなので、不適正にならないように、商品指定もできると思いますが、後出しで処理してしまったのなら、不適正な処理になってしまいます。

ニュース記事の紹介

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【下野新聞SOON】市貝町職員が随意契約で不適切処理 「見積もりもっと高く」業者に要請 4/13

市貝町職員が随意契約で不適切処理 「見積もりもっと高く」業者に要請
4/13 10:05

 栃木県市貝町農林課の30代の女性職員が1月、イノシシの狩猟用に町が貸し出す「くくりわな」を随意契約で調達する際、一部の業者に見積額を操作するよう求める不適切な対応を行っていたことが12日、複数の関係者への取材で分かった。町は事実関係を把握し、処分を検討している。
市貝町が職員を懲戒処分 業者に見積もり増額を依頼

 関係者によると、職員は同課に勤務していた昨年秋ごろ、町内のイノシシ猟用に使うくくりわなの調達で3社から見積もりを取った際、一番低い価格を提示した県外の業者に対し、金額を引き上げて見積もりを再提出するよう求めたとされる。業者は求め通り見積書を再提出した。

 その結果、2番目に低い価格を提示していた別の業者からの調達が決まった。納入できず不審に思った県外の業者が今年2月、町に経緯を尋ねて抗議し、発覚した。

 職員は町の聞き取りに対し「従来から使っていて狩猟者が扱いに慣れている業者の製品を調達したかった」とする趣旨の話をしているという。職員は現在、別の部署に異動し休職中。

 町は12日、非公開の町議会全員協議会で事実関係を説明し「業者には損害を与えてしまった」と陳謝した。関係者の処分を検討しているとした。

https://www.shimotsuke.co.jp/articles/-/576659